ナワトル語が全然わからない人でも、"tsīn" という音の連続が敬意の表現だって知ってこの音声を聞いたら、この録音がどんな高度な会話かわかるはず。ちなみにこの超洗練された敬語が話されてるの、ド山奥の千人ちょいの村ですからね。なんでこんなアステカ貴族みたいな敬語話してるのか謎
posted at 13:10:11
これよ。これこそが言語ドキュメンテーションよ。
posted at 12:55:05
さすがに難しいのか、私の調査してる村では敬語はかなり単純化してるのですが、近隣のテナンゴでは非常によく残っています。音声聞いてみて。ちょっとでもナワトル語かじった人なら、これが幾重にも敬語を塗りたくった「おひかえなすって」的な敬語のポトラッチとわかるはず www.mexico.sil.org/es/lengua_cult…
posted at 12:54:38
こんなことをいちいちやって、さらに間違ってないかどうか脳内チェックまでして話してるんだから、反応が鈍かったり間違ってたりしても笑わないでね(実際は先住民のおばちゃんにめちゃくちゃ笑われる)。ちなみにこれでもナワトル語はメソアメリカで一番簡単な言語です
posted at 12:37:48
…発話するにはアクセントの位置を決める必要があります。アクセントは後ろから2番目の音節に落ちるので -tsī́no です。さらにこの方言では語末の母音に声門閉鎖音が付加されるので -tsī́noʔ になります。これを左端から発話しはじめて問題の箇所にさしあたるまでに考えなければいけないのです
posted at 12:36:36
…ナワトル語では、動詞(西シエラ方言では動詞以外も)の語末の長母音は短くなるので、-tsīno になります。ここまでで mopanowilihtsīno ができました。これに一人称単数主語の ni- と 二人称単数目的語の mits- を加えましょう。これで nimitsmopanowilihtsīno ができましたが、これでOKではなく…
posted at 12:33:56
ところで -tsinoā の /i/ は古典語では短母音ですが、古くは長母音だったらしく、いくつかの方言では長母音で出ます。西シエラでも長母音なので、-tsīnoā になります。ともあれ、「通りますよ」の主語は「私」なので、単数です。希求法単数現在は何も接辞がつかないので、-tsīnō のままですが…
posted at 12:31:36
動詞ができたので、活用させていきましょう。今作った動詞mopanowilihtsinoāは「…に対して(影響を与える形で)通る」という意味(敬語)です。「通りますよ」という断りなので、希求法 (optative) にしましょう。希求法は未来語幹なので、三群動詞 o 型 -tsinoā を未来語幹 -tsinō に変えます。
posted at 12:29:01
…もとの動詞がすでに再帰mo-を持っている場合、再帰接辞を加えずに -tsinoā という語尾を加えることで敬語化できます。この際、もとの動詞は完了語幹になります。Panowiliāのような三群動詞の完了語幹は-ihです。これでmo-panowi-lih-tsinoāという敬語動詞ができました。ここまでが第三段階。
posted at 12:24:14
…この時点でもとの動詞が(他動詞を自動詞化したため)mo-panowiā という形なので、再帰接辞をすでに持っています。ナワトル語はスロット型形態論といって、接辞が入る場所は決まっていて、原則的に同じ接辞は二度出られません。ではどうするかというと、例外措置があって…
posted at 12:20:57
これが第二段階。次にこれを敬語化します。ナワトル語の敬語は動詞を使役形(自動詞)またはapplicative(他動詞)にして再帰接辞をつけます。使役形やapplicativeで価数を一つ増やして、再帰接辞一つ減らし、マッチポンプ的に意味を変えずに語形だけ長くする、これがナワトル語の敬語です。ですが…
posted at 12:20:48
「通る」という動作はintransitiveなので、このpanowiāに再帰接辞mo-をつけて自動詞化します。さらに、「通る」とはいっても、相手の前を通るので、相手に影響を与えます。したがってapplicativeという形にして「…に対して…する」という語形にしなければならないので、panowiāをpanowiliāにします。
posted at 12:19:34
まずpanoā「運ぶ」という動詞があります。本来は他動詞なのですが、この地方の方言特徴として、これがpanōという動詞との混同で自動詞になっています。これをまず他動詞にします。oā動詞に価数を加える操作には3種類あるのですが、この動詞の場合にはpanowiāという形になります。これが第一段階。
posted at 12:10:19
ナワトル語の敬語は、まさに日本語非母語話者が日本語の敬語を習ったときに感じるであろうWTF感を追体験できます。たとえば私のお邪魔している地域(北プエブラ山地西部)では「ちょっと通りますよ」を nimitsmopanowilihtsīno というのですが、これをどう作るかというと…
posted at 12:07:57
好きかどうかは別として、そっちのほうが機知たっぷりにいなすより楽なので、そうしています。スペイン語なら "En un lugar de La Mancha, de cuyo nombre no quiero acordarme... " とひとくさりやるか、「えーそんなこと言われても何言えばいいんすか」とスペイン語で言うかします
posted at 11:27:21
だから、ナワトル語の敬語なんて発話するときは、丸覚えできないので、いちいち動詞をボイス交替させて母音変化させて再帰接辞つけて価数そろえて人称数一致させてアクセント決めて、それを考えながら左端から発話する…というのを毎回やってるのです。ほんとこいつなんでナワトル語研究者やってんだ
posted at 11:24:39
ナワトル語だとこれが曲者で、Diōs mitsmotiōchīwilihtsīnoとか nimitsmopanowilihtsīno とか挨拶でいうので、あらかじめナワトル語文法を一通り修めてないと厳しい #私がトトナク語ぜんぜん覚えられない理由の半分はこれ #でも音韻的記憶力のいい人は意味も知らずにに8音節9音節の語をぱっと復唱する
posted at 11:16:20
人それぞれ語学上の弱点というものがありますが、私は音韻ループが弱いのか、長い語がとにかく真似できませんね。私が日本語非母語話者に生まれてたら多分「ありがとうございます」が覚えられないと思います
posted at 11:08:41
なるほど、いやまん先生の「恨んでいた相手」はspecific definiteで、それを私はgenericに読みちがえたのか
posted at 11:01:46
@yearman このニュースは読んでいないので、一般論として「憎んだ相手が友達であり続けることはありえるのか」ということだけについてつぶやいていました。それはそれとして、単なるクラスメイトを大人が「友達」と呼ぶことはありますね。
posted at 10:58:47
友達を嫌いになることはありえて、そんなときでも交際をやめないこともあり、恋人と同じように制度としての友人関係みたいなものがぼんやりある気がしている #友達グループみたいな分かりやすい関係がなくても
posted at 10:54:41
のび太とジャイアンは友達だけどのび太がジャイアンを憎むことはありえるように思う #むしろ喧嘩した瞬間だけ友達でなくなるような友達というのはありえるだろうか
posted at 10:52:09
マスコミという名前のマスメディアはないんじゃ
posted at 10:45:49
@motijuki1017 An alternative term for revelative, a grammatical category for something one saw in a dream. This category is alleged to exist in a few languages, such as Kwakiutl (Boas 1911), where it is reported that a lexical suffix borrowed from Makah has a special evidential meaning.
posted at 10:35:32
あれも中世の禅僧がソモサンだのインモだの言ってたのと似たようなものなので、案外数百年寝かせるといい感じに発酵して言語の豊かさになっていくのかも、冗談ですが
posted at 10:17:34
@smzpz perseus.uchicago.edu/perseus-cgi/ci… ご指摘のとおり、あきらかに記憶違いでした。お恥ずかしい… 消しておきます。
posted at 10:12:27
うろ覚えだった…
posted at 10:04:02
面白いことに鈍い黒のほうのāterはどうやら火に関係のある語らしく、atrocityとかと同源らしいです。Sweartのほうは言うまでもなく現代語ではswarthyとして残っています
posted at 09:25:38
言うまでもないですがsweartのほうは現代英語ではswarthyとして残っています
posted at 09:21:22
ラテン語では同じ黒でもniger(はっきりした黒?)とāter(ぼやっとした黒?)を区別したらしいのですが、OEにもblæc(新語)とsweart (本来のゲルマン語、ドイツ語のシュヴァルツはこっち)の区別があって、どうやらblæcがniger、sweartがāterに対応したらしいのですよね twitter.com/Nctopik/status…
posted at 09:14:29
ブレーメンの音楽隊、ブレーメンにも行かないし音楽隊も結成しないの納得いかない
posted at 08:44:50
ホルモン教を開いてソルトポークシティを建設していけ
posted at 08:40:35
@cicada3301_kig 詳しくないので全部がそうかはわかりませんが(単なる不統一もありそう)
posted at 08:36:47
@cicada3301_kig シクラメンのかほり「定家仮名遣いはセーフですか」
posted at 08:03:24
「危険性が多い」は私は言えないなあ。いろいろな危険性があるみたいなニュアンスになる
posted at 07:59:30
Etymology. twitter.com/HistoryInPix/s…
posted at 04:40:24
「用事でイスタンブールを通りがかった」一度は言ってみたいセリフだ
posted at 04:22:22
@ndachrjanku ありがとうございます。コピルコのあたりの店が並んでるあたりですかね。
posted at 03:45:57
「くずし字」、言われてみればめちゃくちゃ言いにくいな
posted at 00:53:53
多義だ twitter.com/thisisinsider/…
posted at 00:39:48